独特な連続文様と、ぽってりとしたフォルムがかわいらしいポーランドの陶器「ポーリッシュポタリー」。正式には「ボレスワビェツ陶器」といい、ドイツ国境に近いポーランド南西部の町ボレスワビェツで作られています。
街に流れるボーベル河畔から良質な陶土が産出されるこの地では、中世から陶器の生産が行われていたと言われています。
セラミカ社(セラミカ・アルティスティッチナ)は、その地を代表する陶器メーカーのひとつであり、伝統的な絵柄からモダンなパターンまで多彩な絵付けのパターンを有しています。
絵付けされている連続文様は、海綿を小さく切ったスタンプでひとつひとつを手で押して描かれたオールハンドメイド。西洋の陶器なのに日本人にもどこか懐かしさを感じるのは、日本の伝統文様の小紋柄に通じるところがあるからかもしれません。
なんでもこのような連続文様が生み出されたのは、過去の2度に渡る大戦の影響によるドイツの侵略が影響しているとか。大戦で一時的にドイツ領になったポーランドのこの地で、ドイツ人が運営した製陶会社がこの連続文様のパターンを作ったとされています。
ドイツと言えばマイセン窯が有名ですが、マイセンをはじめ西洋の製陶技術の発展の歴史は、中国をはじめとする朝鮮や日本などアジア圏の高い製陶技術への憧れから生まれたもの。かつてシルクロードを通じて行われた陶器の東西交流の歴史の中では、絵柄のモチーフやパターンも多くの行き来が見受けられます。
そんな過去の歴史や、文化交流への想いをはせつつも、実用面では電子レンジ・オーブン・食洗機OKという、現代のライフスタイルの中での使用にも非常に優れたポーリッシュポタリー。
日常使いのテーブルウェアとしてはもちろん、パーティーなどゲストを招くシーンでも食卓に彩りを添えてくれます。